東洋医学では、健康という言葉はなく、健康に近い言葉は、養生があてはまります。養生とは、生命を養って長生を計ることをいいます。現存している古い書物では、荘子の言葉の中で、天理の自然にしたがうことが養生の秘訣であると書いてあります。
これを現代の言葉でいうのなら、散歩と食べ物と心持ちが養生の秘訣ということになります。
散歩のことを逍遥(しょうよう)ともいい、心にまかせてのんびり歩くことをいいます。こうした散歩を30、40分続けることによって、心と身体をほぐし、気血の流れが良くなるそうです。
食べ物は医食同源という言葉があるとおり、養生するためにはとても大切で、その秘訣はできるだけ少食にして腹八分に留めることです。また、東洋医学の一部には、食べ物を陰陽(アルカリ性と酸性)に分けて取る考え方もあります。
最後に心持ちです。病は気からのことわざどおり、物事にこだわらないさっぱりとした心持ちでいれば、病気にかかるわけはないという考え方で、気功法や静座法があります。
こうしてみると、体を無理なく動かして、バランスよくいろんな食べ物を食べて、くよくよしなければ、健康になれると主張するのが、東洋医学であり、西洋医学の成人病予防法と驚くほど共通しています。
